たわやかに 染まりゆく
結婚式をしよう、とは考えていたけれど、具体的なイメージがなかったお2人。煌びやかな会場で、スポットライトを浴びている自分自身の姿はどうしても想像できなくて…と悩んでいらしたときに、ecruのことを見つけてくださいました。人見知りをするお2人なので、初めはとても緊張していましたが、おふたりのことを少しずつお話してくださいました。まだあまり結婚式に出席したことが無く、イメージは具体的ではないこと。以前出席した新婦のお兄様の結婚式で、自分でも驚くほど泣いてしまったこと。結婚式では、自分たちだけではなく、ゲストの方にも緊張せずに過ごしてほしいこと。大切で尊敬するご友人たちのこと。それから、小さい頃から色々な感情をもって過ごしてきた、ご家族とのエピソード。真新しいものよりも、人の手で大切にされてきた、ぬくもりのあるアイテムが好きだということ。言葉数は多くないのですが、ご自身の好きなものについて、言葉を慎重に選びながら、ゆっくり丁寧に、つむぐようにお話をされる姿が印象的でした。
コンセプトは「たわやかに 染まりゆく」。「たわやか」とは、やわらかで優美であること。緊張して会場に来たゲストの方たちが、時間が経つにつれて、まるで長い時間その空間にいたように、空間の色や雰囲気に染まっていくように。そして染まる色は、やわらかく、懐かしさやぬくもりを感じるような色。オーダーメイドの招待状は1通ずつ手作業で紅茶染めをし、ユーカリの葉を添えてゲストへお届けします。
とってもお天気の良かった結婚式当日。自然の力も借りて緊張が少しでもほどけるようにと、ガーデンにベンチやピクニックシートを置いて、ゲストのウェイティングスペースに。人前結婚式では、「カフェラテ」という名の付く12本のバラを、ゲストおひとりおひとりから新郎様が集めて新婦様にお渡しする、ブーケ・ブートニアの儀式を行いました。リハーサルの時から涙が止まらなかった新婦のお父様にエスコートされ、ゲストが作ったバージンロードを、泣き笑いしながら歩く新婦様の姿が印象的でした。
パーティーは、お2人のイメージカラーを取り入れてシンプルに。招待状と同じ紅茶染め模様を取り入れた席次表でゲストをお迎えしました。ウェディングケーキは、お2人が普段もよくいかれる、大好きなカフェのもの。「緊張してしまうので…」と、演出はあまり取り入れず、お2人がゲストのテーブルをまわり、進行表には書かれていない「間」を大切にしました。
結婚式の準備の間、何度も喧嘩したり、話し合っても答えが出なかったり、寝不足になったり、色々な事を乗り越えてきたお2人。結婚式を迎えるまでは、不安な表情も垣間見えましたが、当日はあふれんばかりの笑顔でゲストの皆様に囲まれていました。お2人らしくゲストをお迎えした空間には、穏やかで、これまでもこれからもずっと続いていくような時間が流れていました。
Date – 2018.10.21
Place – ヴィヴァン・ヴェール(郡山市)
makeup – Machiko
Photo – Sugano Yuya
Wedding dress – KUROE
Florist – はなやコキリ
Wedding cake – Café Blanc.
Planner : 橋本 沙代美