当たり前のように存在する「家族」。でも、家族が同じ家で暮らすことや、笑顔あふれる家庭を育み、継続していくことは、決して当たり前ではなく、本当に大切で尊い。みんなが同じ方を向いて、「家族」という存在を守り、広げていくことの大切さをこの結婚式を通してもう一度感じてほしい。そして、当たり前に思えてしまう家族や、人との繋がりの貴重さをかみしめて欲しい。モミの木が根を張り、そこに枝葉が広がるように。

クリスマスのウェディングパーティーの主役となる、かわいらしい家族に贈ったコンセプト。要素となったのは、打ち合わせで垣間見えた新婦様自身のご家族のお話。３人兄妹の末っ子で、一人娘だった新婦様。きっと大きな愛情をもっていたけれど、仕事で家を空けることが多かったお父様との衝突を機に、距離感が変わり始めた家族。そして、自分が結婚し子どもが生まれ、新しい家族を築き上げる過程で、少しずつわかり始めたお父様の想いや家族のこと。

家族のあり方や距離感、親として・子としてのありかたに正解なんてない。だけど、結婚式というのは、大切なことを素直に言葉にできる瞬間を作り出してくれる。

パーティーの日、迎えたご家族とのファーストミートの時間。照れ隠しで、直前まで「わざわざ挨拶なんて、今さらしなくていい」と、私たちスタッフに言っていた新婦のお父様。ファーストミートを終えてブライズルームから出てきたお父様の、「ありがとう。」と私に向けてくれた優しい笑顔を、私は一生忘れません。